2011年11月6日日曜日

イーゴリ・リャボフさんのマト

素朴な画風が人気のアーニャ・リャボワさんのお兄さんが
最近マトリョーシカを描くようになり
モスクワのお土産物市場ベルニサージュに出店しました。
この方はロシア正教の聖像画、イコンを描く画家で
お店ではやさしい表情のイコンも販売しています。

マトリョーシカにもイコン同様にテンペラ絵具を使用しています。
イーゴリさんによるとテンペラは暗い所でかすかな光で輝き
時を経ても輝きを失うことなく
数百年経ってもまるで昨日描いたかのように鮮明なのだそう。

詳しい方にお聞きしたところ、テンペラには卵黄を混ぜる技法があり
金彩に混ぜた場合に正面から見るとあまり輝いてるように見えないのですが
上から、もしくは下から光を当てると柔らかく、そして荘厳な輝きを
見せるのだそうです。
そのため西洋の教会では上部の窓からさす自然な光が聖像を輝かせ、
ロシア正教教会は通常小さな明かりとりの窓しかないのですが
うす暗い内部を信者たちがともす沢山のロウソクが
下方から聖像を照らすことによって荘厳な輝きを演出するのだそう。
また、テンペラは劣化が少なく数百年の経年に耐えることができるので
教会内の装飾や聖像画にもっとも適した画法と言えるのですね。

なんだかありがた~い気分になってきます・・・




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