2016年7月20日水曜日

ロシア買い付けの旅☆~アレクサンドロフ②

アレクサンドロフにはまだまだ見どころがありますよ!
ラリサさんがお勧めしてくれたのは
ロシアの詩人、マリーナ・ツベタエワゆかりの博物館。
1892年モスクワ生まれ。
1941年に自ら命を絶つという選択をすることになるまで
波乱に満ちた人生を送りました。

妹のアナスタシアが
1915年二度目の結婚のためアレクサンドロフに移住。
1916年夏にマリーナもこの地に移り住み
革命後の1917年にアナスタシアがクリミアに引っ越すまで
二人にとって短くも幸福な時を家族と共に過ごしました。

1991年開業の
マリーナとアナスタシア・ツベタエワ姉妹文学博物館。
この博物館は「メタファー的」と言われる通り
家族が実際に使った家具や生活道具は残されていません。
時代に翻弄された二人と家族の
穏やかで幸せな”ひと時”が感じられる空間を
共有するための博物館です。




大きな住宅の前にひっそりとたたずむ
木造家屋がツベターエワ姉妹博物館です。
そして、左手前に見える2階建てのコンクリート住宅も
実は別館として運営されています。
「101キロメートル博物館」というちょっと変わった展示館。
ソ連時代に多くの知識人、音楽家、医師、文学者などが
何の罪もなく突然強制収容所へ収監されました。
一部の人は嫌疑が晴れ収容所から出た後も
”都市から100km以内に住んではいけない”という
制約を受けたそうで
アレクサンドロフはモスクワから111km離れていますが
100km以上離れていて一番近い大きな町であるここに
多くの知識人が移り住んだのだそうです。

閉館時間ギリギリ、
というか最終的には残業させてしまって超急ぎ足の解説付き。
2台あるピアノの1台はツベタエワ姉妹のものだと言って
ちょこっとガイドさんが弾いてくれました。


ガンの治療に役立つと日本でも有名な
チャーガ(白樺に自生するキノコ)。
その効用を発見したセルゲイ・マスレンニコフ博士は
アレクサンドロフの出身。
この町にガン患者が少ないことに注目し、
お茶代わりに地元の人たちが煎じて飲んでいた
チャーガの存在に興味を持ち始めます。
説明が早くてまったく分からなかったのですが
マスレンニコフ博士も居住「101km」制限を受け
不自由な生活を余儀なくされた一人なのだとか。

なんだか本当にまったく分からなかったのですが(笑)
とにかく日本人と言うことで特別に閉館時間を過ぎても
熱心に解説してくれました。
チャーガ研究にも日本人が大きな功績を残したのだとか。
「チャーガが世界で認められたのも
日本人のおかげなのよ!」と。
偉大な先人、ありがとうございます!

この「101キロメートル博物館」は小さいながらも
音楽ホールになっていて
ロシア中のみならず世界的なアーティストを
お招きすることも多々あるそうです。
なんと日本のジャズオーケストラ「渋さ知らズ」の
不破大輔さん率いるバンドが2012年に演奏したとのこと。
ポスターがあるから本当だよね(笑)?
まーそんなこんなで日本人というおかげで
とても良い印象で見学させていただくことができました!

ツベタエワ姉妹博物館はちょっと高台にあり
二人が住んでいたころは周りに何もなくて
向こうに見える教会の屋根が
厳かに輝いているのが望めたのだそう。
そのことを唄った詩の一節があって
ガイドさんが語りだすと
ラリサさんも重ねて二人で暗唱し出しました。
ああ、ロシア人ってステキだな~、と
うっとり聞き入ってしまいました♪